「自然の産婆術研究会/ MAIEUTIKE野生の創造」展(合同展)


■ 「自然の産婆術研究会/ MAIEUTIKE野生の創造」展
          
          馬喰町ART+EAT
          (人と人、人とARTが楽しく出会うギャラリー+ダイナー)

2011.1.18(火)〜2.5(土)
          ◎11:00〜19:00(最終日は17:00まで)
          ◎日曜・月曜祝日休廊

http://www.art-eat.com/event/?p=1249

詳細はコチラもご覧下さい。

今回は針金のbirdと革の動物での参加。なかなかご一緒することが出来ないアーティストや研究者など。特別な機会になりそうです。
art+eatはARTS & CRAFTS & FOODSをコンセプトとしたギャラリー+ダイナー。内装・家具制作をされた井藤さんの椅子テーブルも必見。
     
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自然の産婆術/ MAIEUTIKE

古代ギリシアの哲学者ソクラテスは、町を行き来する青年を見つけては対話を挑み、彼ら自身の心の内に潜んでいる「智恵」を産み出させようとしました。
ソクラテスはこうした問答法を、産婆をしていた彼の母の技に因んで「産婆術Maieutike」と名づけています。
ソクラテス式の「産婆術」は、人と人とのあいだだけで交わされる「対話の産婆術」として、西洋の歴史にヒューマニズムの伝統をつくりだすことになります。しかし、モノづくりや芸術の創造場面に眼を向けたとき、人間同士の対話に限られない、もっと広大な「産婆術」が見えてくるのではないか。そう思います。
これを仮に「自然の産婆術」と呼び直してみます。本当は意識のない樹にブッダの姿を勝手にみつけて仏像にしてみたり、岩の中に精霊をみつけて描いてみたり。誤解と妄想の産物かもしれないけれど、たとえば洞窟の奥に「精霊がいる」と仮定することによって、存在しないはずの精霊の絵を産み出すことができるかもしれません。
芸術にはこういう誤解や妄想を超えて、人間の能力を開花させていく可能性が秘められています。芸術家のアトリエやレストランの厨房で、職人の工房やコンサート・ホールで起こっている「自然の産婆術」。これを意識的に実践したら、きっと面白い実験が生まれるのではないか、と思います。
皆さんのご来場を、心よりお待ちしています。          石倉敏明

◉出展作家と主題

* ・井藤昌志(いふじまさし)/ブリコラージュによる外世界への「通底器」としての箱
* ・高木正勝(たかぎまさかつ)/「夢見 Dreaming」(= Ymene)の体験としての映像
* ・大淵靖子(おおぶちやすこ)/人間と動物をつなぐ「野生の思考」次元を浮上させる実験映像
* ・Peter Ivy(ピーター・アイヴィ)/「流動性」を主題とするガラス作品
* ・佐藤貢(さとうみつぐ)/「音楽」を表す、海岸漂着物によるコラージュ作品
* ・増満兼太郎(ますみつけんたろう)/皮革の動物オブジェと鳥のモビール
* ・分藤大翼(ぶんどうだいすけ)/Baka族(ピグミー)のもとで採録された映像と音楽
* ・石倉敏明(いしくらとしあき)/テキスト